自分は転勤族だったもので、小さいころ親の仕事によく住まいを転々としていました。
思い出の残る場所、人、いっぱい残していったものも多かったです。
そして、去年の話でしたか、小さいころ住んでいた岩手県遠野市を訪れてみました。
思い出を取り戻したかったわけでもなければ、何か約束があったわけでもありません。
今回はその遠野市を一人旅して考えたことをまとめてみたいと思います。
地域の魅力再発見ブームの弊害
遠野市も過疎の波には勝てなかったらしく、自分が子供のときと比べて、
活気が失われたかのようでした。もっとも、子供のとき、大きいと感じていたものが、
大人になって印象が変わったのかもしれません。
自分が住んでいたアパートも取り壊され、パチンコ屋になっていました。
いつの間にか、名物としてジンギスカンが生まれていましたが、
どれほどのものなのでしょうか。
思うに、どの町もうちのところは良いところだから来てくれと言います。しかし、
競争が激化していき、新しい名物や規模を大きくし失敗へと向かっていくのではないか。
そんな危機感さえ覚えました。
それでもそこに住みたい理由はやはり「人」
その地域の名物などといっても、実際、地域の人々に愛されているかどうか。
例えば、自分は盛岡市出身ですが、「わんこそば」は一度も食べたことがなかったりします。
それよりも、やはりその土地に住んでいる人への好意ないし憧れが必要でしょう。
自分は故郷に戻るつもりはないです。それは、仕事上の問題もそうでしょうが、
今住んでいる場所の人とのつながりがあるからなんです。
逆に言えば、会いたい、あるいは憧れにしている人がいるから、
ヒトは会うために住まいを変えるんです。
そのためには、その人のライフスタイルが見えなければいけない。
そして、何かしら活動が広がれば、活性化につながるのではないでしょうか。
あなたは会いたいと思われる人ですか?
ネットというものは便利なもので、ヒトとヒトとの距離を劇的に狭めてくれました。
自分が「会いたい」と思われるように、最大限努力すべきことは何でしょうか。
例えば巷に知られているアイドルなら誰でも会いたくなるでしょう。
それは、そのアイドルが知られているからではなく、どのような信条・プロフィールを
持っているか、本人あるいは事務所など関係者が宣伝しているからなのですね。
自分の食べたもの、イベントの告知、面白い記事の紹介だけでなく、
自分の心を豊かにしているものは何なのか、自分が何の目的をもって生きているのか、
あなた自身のアイデンティティが、地域も救うことにつながるのではないでしょうか。