著作権侵害、非親告罪を導入へ=適用制限めぐり最終調整―TPP
これまで、日本では著作権違反については、親告罪と言いまして、
著作権を侵害されたメーカーあるいはデザイナーが訴えることで、初めて成立していました。
もちろん、その場合でもよほど悪質な場合を除いては、
警告ないし、取り下げの段階を経ていたのですね。
ところが、非親告罪化することにより、第三者の通報によっても
著作権侵害が成立する可能性が出てきました。
アメリカでは、著作権侵害については厳しい罰則を設けている以上、
TPP成立に伴い、日本もそれに倣って欲しいということなのでしょうね。
これにより同人ゲーム界はどう変化されるのでしょうか。
グレーゾーンの衰退は免れない
日本にはグレーゾーンと言われるのがいくつかあり、
・ボードゲーム、テレビゲームの二次創作
・Youtube、ニコニコ動画によるゲーム実況
などですね。有名な方はそれだけでご飯食べられるくらいの活動です。
今までこれらのほとんどはメーカーの許可なしにやっていたこともあり、
グレーゾーンと言われていました。
ところが、著作権の非親告罪化に伴い、誰かひとりでも、
これは違反であるとして、通報すれば、犯罪として成立する可能性すらあります。
いきなり逮捕という流れにはならないでしょう。
しかし、0.1%でもその可能性があるとするならば、
そもそも、そんな危ないことをしようとは考えないですよね。
このことにより、同人ゲーム界は衰退してしまうと考えられます。
誰にも嫌われないコンテンツを作ることは不可能
同人ゲーム界がグレーゾーンと呼ばれているのは
どこからどこまでが著作権違反であるか、
その線引きも明確なものがないというのもあります。
例として、僕が作っている「俺の街」もシムシティ系の街作りのシステムですので、
それが著作権違反に入るのか、少なくても専門家でない人にはよく分からないですよね。
そうなった場合、デザイナーとしては、
「これは著作権違反だ!通報しよう!」
と言われないように予防線を打つように考えるでしょう。
同人ゲームとしては、好きなものを自由に作っている以上、
その作品が嫌いだという方が出てくるかもしれません。
そして、それらのことを考えて作品をつくることは
非常に面倒なことでもあるし、クオリティの低下にもつながるわけです。
明確なガイドラインが必要
これらの摘発の乱用は非常に怖いものがありますよね。
「営利目的でないものには、適用しない」とありますが、
例えば、ゲーム実況ひとつをとっても広告収入が発生する場合はどうでしょうか?
同人ボードゲームにおいても、クラウドファンディングで制作費を集める
ビジネスモデルは、営利目的にあたるのでしょうか?
これらのきわどい例について分かりやすいガイドラインがなければ、
コミックマーケットをはじめ、今後、後味の悪い事例が出てくるかもしれません。
まとめ
・著作権違反の非親告罪化が進めば、同人ゲーム界は衰退するだろう
・コンテンツを良く思わない人から通報される危険性がある
・どこからが違反なのか明確な線引きが必要
もともと、著作権というのはデザイナーの権利を守るためのものです。
今回、違反の適用範囲を広げることは本当にデザイナーの権利を
守ることなのでしょうか?
うっかりパロディもできない世の中になっては
正直、つまらないものになるのではないでしょうか。
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