借金400万!?カードショップの経営が失敗した理由とは?

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先日、ひとつの事件がありました。
焼酎に毒、夫殺害未遂疑い 別居中の女逮捕、栃木

このお方、前は、宇都宮のカードショップを経営者でしたが、
2015年1月に閉店したうえでの犯行だそうです。
閉店に至るまでのくわしい経緯はブログに書かれています。
『カードショップあんしんどう/宇都宮』

今回は、なぜ経営難にあり、閉店に至ってしまったのか、
その原因を同じ個人事業主の立場から見ていきたいと思います。

そもそものスタートがおかしい

このカードショップは開店時、テレビにも出演していました。
企業資金は630万円。その内訳が

・夫婦からの貯金(前自衛隊員):200万円
・銀行からの借金:370万円
・カードローン(サラ金) :60万円

そして、その使い道が
・コンサルティング料(カード費・機材費など) 400万円
・テナントの家賃  月額18万9000円

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というとんでもないものです。なぜこれがひどいかおわかりでしょうか。

まず、借金していますね。もうこの時点で首の回らない状態です。
経営は余剰資金を持つのが普通です。何かトラブルがあったときに、
対処し得なくなるからです。

実際、このお店では窃盗犯にあったり、エアコンの設置など、
予想外の出費を出しています。

借金はもちろん、絶対してはいけないものではないですが、
それに見合うリターンがある場合のみです。投資の基本です。
今回の場合、あまりに不透明すぎますよね。

では、リターンに見合うビジネスモデルなのか検証してみましょう。

赤字になるのが必然のビジネスモデル

次に目に付くのが家賃の高さです。
この値段は宇都宮の中でも超一等地のお値段です。
僕の場合、仙台市内で塾をやって、20坪を1フロア貸し切っていますが、
それでも月額14万というところです。

さらにここから借金の返済、利息、人件費、光熱費、仕入れ値が
回ってきます。少なく見積もって計算して、月60~70万程は売上が必要です。

さて、収入の方ですがこれもまたおかしいのですね。
まず、コンサルタントを雇っていますが、個人事業主は自由な経営が
できるのに、その利点を放棄して、わざわざお金を払っているのも理解できません。

ぶっちゃけカードショップって儲かるの?

俗に言う、TCG(トレーディングカードゲーム)は、メーカーから持ってくる段階で
70~80%の原価がかかります。簡単に言うと、300円のパック1つが売れても、
たかだか100円ほどしかお店は儲からないことになります。
これでは、難しいですね。

そこで、カードショップの利益の柱はシングルカードです。
特定のカードを仕入れたり、お客さんが売買したり、またメーカーのパックを
カードショップが自分で開封したりして、カードを集め、それを高額にして売りさばきます。
シングルカードは高額なものになると、一枚数万円になるのも珍しくありません。

逆に言えば、こうした高額なカードにいち早く目をつけなければなりません。
カードゲームの仕組み・市場原理などの知識が必要になります。
この仕事の難しいことはそれでしょうね。

ところがこのお店の場合、そういったレアカードを市場価値を無視して
100円で売ったりしていました。これでは収益性は皆無ですね。

もっとも最悪なのは経営者の心構え

店長本人のブログを読んで、要約するとですが、

店舗経費がかからないネットは儲かって当然、
ビジネスとして割り切れば儲かって当然、
私にはわかっていたけど、あえて難しい道を選びました、
トレーディングカード自体、私が手を出してはいけない商材だった

というようにまとめています。
ですが、要はネットやらコンサルタントやらカードやら、
全部私は悪くない!人のせいだという感想です。最悪ですね。

自分の理想とするイメージを持つのは結構なんです。
だからといってそれがビジネスになるとは限らないわけです。
店主の言うように、「駄菓子屋のようにゆっくりやりたかった」のならば、
維持費を極力減らすべきでしたでしょう。人も雇うべきではありません。

推測ではありますが、この店主、カードショップ開店までに、
半年ほど同じようなお店にアルバイトでやっていたということですが、
そこで関わった人たちに必要以上に褒められ、持ち上げられ続けたことが
こうした経営者を生むことになったのでしょうね。

同情する部分もないわけではないですが、
一番かわいそうなのは、生活を壊され、借金を背負わされ、果てに殺されかけた
旦那さんではないでしょうか。